少子高齢化の加速や、コロナ禍による生活困窮問題。地域にはさまざまな福祉にまつわる問題・課題が山積しています。

一人ひとりが抱える課題に向き合い、行政と共に地域福祉のサポートをしている団体が、全国にある社会福祉協議会です。

社会福祉協議会は、社会福祉法により、全ての市町村への設置が義務付けられている民間組織で、各市町村の特色に合わせ、地域に根付いた福祉全般の支援を担っています。

竹田市にも地域住民の豊かな暮らしを実現するための相談窓口として、竹田市役所の隣に「社会福祉法人 竹田市社会福祉協議会」が設置されています。

「竹田市社会福祉協議会」では、「人づくり・地域づくり・つながるネットワークづくり」の3つをキーワードに掲げ、地域住民や団体、地域資源をボーダレスに繋げることで、支え合う地域を目指した福祉活動を展開しています。

地域住民一人ひとりの悩みに寄り添った対応を

「竹田市社会福祉協議会」が担っているのは、大きく分けて、「子育て」「高齢者」「生活困窮」の３分野と「障がい者」分野は他の事業者と連携・共同できるよう取り組んでいます。しかし、地域住民が抱える課題は、縦割りで分類できるものばかりではありません。

そこで「竹田市社会福祉協議会」では、一人ひとりの悩みに合わせて、分野を横断しながら支援を行う重層的支援体制整備を整えています。

その支援体制や業務内容について「竹田市社会福祉協議会」の会長である木部眞里子さんが教えてくださいました。

「竹田市は高齢化が加速している地域ですので、今までは高齢者支援を中心に行ってきましたが、最近では社会情勢の変化に伴い、生活困窮者や生きづらさを感じている人の相談件数が右肩上がりに増えてきています。生活困窮者の場合は、生活保護に繋ぐ前に、しっかりその人の生活をみて、就労支援や家計支援を行ったり、障がいのある方は、生活状況に応じて民間施設へ繋ぐ支援を行ったりと、行政や民間組織と協力しながら、地域福祉全体の相談を受け止める体制を整えています」。

行政や民間組織の中継点として、一人ひとりに寄り添った細かなフォローを行う「竹田市社会福祉協議会」。あらゆる相談に対応するため、市役所隣にある相談窓口だけでなく、地域包括支援センター、市内で保育園を二ヶ所運営、病児保育施設の運営、ヘルパーステーション（訪問介護）、デイサービス施設の運営も行っています。

また、近年力を入れているのが、支え合う地域づくりだと木部さんは話します。

「人口は減少しているものの、地域には高齢者や支援が必要な人が増加しているという現状があります。地域の担い手や、お世話をする役員も不足し、地域活動がどんどん廃れている中で、安心して暮らす地域を作るためにできることは、支え合う地域づくりです。竹田市では今、旧小学校区単位で地区社協を設け、集まる場づくりや介護予防などに取り組みながら、地域を守っていくという動きを行っています」。

「人よし、地域よし、働いてよし」を目指して

「竹田市社会福祉協議会」では、日々の相談業務に加え、施設運営、地域の人たちの意識の醸成、職員の意識づくり、民間団体とのネットワークづくりなど幅広い業務を展開する協議会では、今専門人材の不足が問題となっています。

「職員は160名いますが、ヘルパーさんが特に不足しています。ヘルパーさんの定年は現在75歳、平均年齢も60歳近く、若いヘルパーさんの不足が深刻になっています。また、支援が必要な方により手厚いサポートができるように、保健師、ケアマネ、社会福祉士、看護師、保育士といった資格を持っている方も募集しています」。

これからは「人よし、地域よし、働いてよし」の三方よしが実現できる組織を目指すという「竹田市社会福祉協議会」では、働き方に柔軟性をもたせ、多くの人とマッチングできるよう、現在は仕事の切り分けを行っています。

「私たちの仕事は一人も取り残さないで寄り添っていく仕事ですので、聞く力が重要になります。相手の話を聞いて理解しないと寄り添うことはできませんから、聞く耳を持ち、相手のことを考えられる人にきてほしいですね。そして、繋がって共生する地域を作っていくために、新しいことにチャレンジする、踏み出す勇気を持つ方であってほしいと思っています。仕事の切り分けにも取り組んでいますので、時短勤務で働きたい方もぜひご相談ください」。

福祉の仕事は人としての生き方を学ぶ仕事でもあります。

人のお世話をすること、またより良い地域づくりへの興味がある方に最適な職場となっています。