2022年2月9日から3月8日までの約1ヶ月間、「岡城天然温泉 月のしずく」で地域コーディネータープロデュースのもと、インターンシップが実施されました!
今回のインターンシップは、NPO法人ETIC.が運営を行う「地域ベンチャー留学」を通じて募集しました。
「地域ベンチャー留学」は、学生が経営者の右腕となって新規事業や商品開発などにチャレンジし、企業が抱える課題の解決を目指す実践型インターンシップ・プログラムです。
今回は「岡城天然温泉 月のしずく」が抱える課題を解決するため、地域コーディネーターとともに「マーケティング調査とSNS発信(若者の集客)などの広報ツールの作成」というプロジェクトを立ち上げました。
たくさんの応募の中から今回のプログラムに参加してくれたのは、専修大学 経営学部 ビジネスデザイン学科3年の田島未菜さんと、津田塾大学 学芸学部 多文化・国際協力学科の2年新 万穂さんです。
約1ヶ月間インターンシップについて「岡城天然温泉 月のしずく」より支配人の友岡愛子さん、そして学生二人に伺いました。
若い世代の利用者を増やし、経営難から脱却を!
「岡城天然温泉 月のしずく」は平成13年に開業。
総合建設業を営む友岡建設のグループ会社「有限会社水神の湯竹田」が運営を行っています。
もともと「地域の皆さんの健康のために」という目的で、療養に最適な設備を整えて開業した施設であるため、利益追求は二の次で運営を行ってきたそうですが、常連の利用客が高齢化。それに伴い利用者が減り、経営難になっているという課題がありました。
「どうにかしないといけないとは思っていたものの、日々仕事に追われて、なかなか本腰を入れて取り組めていなかった」という友岡さんとともに、課題解決のためのプロジェクトを立ち上げたところからインターンシップは始まりました。
今回のインターンシップのプロジェクトは、「マーケティング調査とSNS発信(若者の集客)などの広報ツールの作成」。
「若い人にも利用して欲しいが、どうプロモーションをして良いかわからない」という友岡さんの右腕となり、マーケティング調査と、従業員を巻き込んだSNSの効果的な発信をすることが課題です。
募集開始直後からたくさんの応募があった中で、友岡さんが右腕として選んだのが田島さんと、新さんでした。
田島さん:私はいつも“人のために行動できる人になりたい”と思っています。そこでコロナ禍で飲食店が多くのダメージを受けているのを報道で見て、飲食店を元気付けることができないかとグルメ投稿のインスタグラムを始めたんです。でも、自分が住んでいるエリアの飲食店しか応援ができていなかったので、もっと地方と関わりを持てないかと思っていました。もともと広報とマーケティングに興味があったこともあり、こちらのプロジェクトに応募しました。
新さん:大学入学時からコロナ禍で、なかなかやりたいことや挑戦したいことができない日々だったのですが、今年こそは新しい挑戦をしてみたいと思い、地域ベンチャー留学に応募しました。「岡城天然温泉 月のしずく」は若いお客さんが少ないという課題を抱えていますが、私の地元に出来た日本最大級のスパ施設は連日若いお客さんで賑わっており、若者にも温泉の需要はあるのに、なにが違うんだろうという点に興味が湧き、応募してみようと思いました。
サフランを使ったソフトクリームと温泉卵で来店のきっかけ作り
インターンシップに来て1週間は、受付や掃除など、従業員として業務に取り組みながら、他の温泉施設とどう差別化してPRし、SNSで発信するか、切り口を探していたという田島さんと新さん。
働くうちに二人が気づいたのは、常連客の多さと、新規のお客さんの少なさでした。
この現状を打破するために、二人は若い新規のお客さんでも訪れたくなる、来店の“きっかけ”作りを企画しました。
田島さん:別府や湯布院の観光地を見て、竹田との違いを調べたり、子どもや若い人が集まるところには何があるのかを調査しました。支配人や常務と話しの中で、「竹田のサフランを推して行きたい」という話が出たので、サフランを使った名物があれば、若いお客さんも来てくれるのではないかと思ったんです。
二人が目をつけたのが、もともと温泉で売っていたソフトクリーム。
これをアレンジしてサフランソフトを提案しました。
サフランを練り込んでみたり、シロップにしたり、色々なアイデアを出して何度も試作を繰り返すこと数日、サフランの花とポン菓子をトッピングし、サフラン風味のシロップをかけた見た目も可愛いソフトクリームが完成しました。
また併せて、温泉施設と言えば温泉卵!ということで、サフランで色付けした温泉水で茹でた卵、「月のたまご」も開発したのです。
竹田名物のサフランを使ったソフトクリームと温泉卵は早速反響を呼び、なんと大分市内から高速バスに乗って食べに来てくれた方もいたほど!
友岡さん:サフランソフトを食べに来てくださり、そのついでにお風呂にも入浴してくださいました。まさに新規客を呼び込むきっかけ作りが出来ました。
田島さん:自分だけでなく全員のアイデアを一つにまとめることは難しかったですが、形になった時の達成感は大きかったです。ただ、サフラン自体が高いので、500円という価格でどれだけリピート率を上げることができるかは今後の課題だと感じています。
新さん:販売目標も達成できたのですごく良かったです。ソフトクリームは通年、月のたまごは土日限定で販売していく予定ですが、今後もずっと継続販売していくためにどうすれば良いかは、これから考えて行かなければいけないと思っています。
まだまだ今後の課題はありますが、温泉の新しい名物というアウトプットができたことで、来店のきっかけを作ることができました。
最後に、友岡支配人に、今回の感想を伺いました。
友岡さん:従業員もみんな新しい挑戦をしようとしていることは準備の段階から感じてくれていたようで、学生たちが真摯に向き合っている様子をみて、不安はあるけどやってみようかなという機運になったのはとても良かったですし、私自身ももっと外に出かけて、色々と挑戦をしていきたいと思いました。機会があればまたインターンシップをやりたいと思っています。
今後も地域コーディネーターが、地域の組織と若者の繋ぎ手となり、企業が抱える課題の解決や新しい挑戦を支援します!
「うちでもインターンシップを検討したい!」という企業さまはぜひ、まちづくりたけた株式会社へお問い合わせください!
問い合わせ:まちづくりたけた株式会社
〒878-0012 大分県竹田市 大字竹田町572-2 古町kitto2階
TEL:0974-64-0175